~love you love you~「もう、ちょっ…待ってってば!!!」 「………。」 長い黒髪をなびかせた少女は前をスタスタ歩いていく少年を追いかけた。 「ねぇ、シンジっ!」 ようやく追いつき少女はシンジと呼ばれた少年の肩を掴んだ。 「なんで行っちゃうのよ。」 肩を掴んでこっちを向かせながら少女―ヒカリ―は言葉を続けた。 「お前には関係ない。」 溜め息混じりにそう呟くと肩にある手をはらう。 「そ、そうかもしれないけど…。でも、いつももっと話とかするじゃない!」 「…ふん、知らないな。」 あからさまに興味なさそうに言い捨てる。 「それじゃあ聞くけど、なんで怒ってるのよ?」 「………。」 「あんたいつも以上にここにシワよせてるのよ!気づいてないでしょ?」 ぐいっとシンジの眉間を人差し指で押してやった。 「うるさい女だ。早くアイツらのとこに戻れよ。」 「いいでしょ?話くらいしても。」 また短い溜め息が聞こえた。 「話ならアイツらとしろ。」 「シンジと話したいの。だって久しぶりに会ったんだもん…。」 じっと上目遣いで見られ調子が狂う。 いつもはうるさいくらい突っかかってくるのに。 大きな溜め息をつきポケモンセンターを指差した。 「あっちには行かないからな。」 「うん。」 ふたつ返事でヒカリは近くの木の下に腰を降ろした。 つられるようにシンジもその隣に座った。 「お前何かあったのか?」 「えっ?」 いつもと違うヒカリ様子に珍しくシンジから話題を提供した。 「な、なんでよ。」 「いつもより静かだから。」 「そう…。別に大した事じゃないけど…」 いつもなら怒鳴ってくる場面なのにやはりヒカリの様子は頭を膝にうずめただけだった。 「ひとりだったから。つまんなかったの。」 「なんでだよ?うるさいのがたくさんがいただろう。」 「サトシはノゾミと話してるし、タケシはお姉さんとデート。そしたら、私必然的に余るじゃない。邪魔しちゃ悪いし。」 「…コーディネーターのやつらは?」 「ハルカとシュウの邪魔なんて出来るわけないじゃない。」 顔を上げずにヒカリは一気に思っていた事を吐き出した。 それを聞き終わるとシンジはポンポンと軽くヒカリの頭を撫でた。 「………。」 ガバッと顔を上げると物言いたげな顔でシンジの方を見る。 「なんだよ…。」 「いつもより優しいなと思って。」 ふんっと言いながらシンジは顔をそらした。 「…ねぇ、手つないでもいい?」 右手をシンジの前に差し出した。 肯定の代わりに無言で差し出された手を握った。 「好きだよ…。」 額を膝につけたまま呟いた。 静まり返ったここではその声はしっかりとシンジの耳に届いた。 「…知ってる。」 手を繋いだ力が少しだけ強くなる。 「俺も………。」 「えっ、なんか言った?」 「言ってない。」 「嘘!何か言ったわよ!!!」 「…頭だけじゃなく耳までおかしくなったか。」 「なっ!おかしくなってないわよ!ちょっと優しくなったかと思うとすぐこれだ。ちょっとは普通にし、たら………ん。」 文句を言い終わる前に唇を己のそれで塞がれた。 黙らせるだけの軽く短いキス。 反論するのも忘れ、真っ赤になったヒカリをシンジは余裕そうに見下した。 「…バカシンジ………。」 「ヒカリに言われたくねーよ…。」 いつか いつか 素直に この気持ちを あなたに お前に 伝えられる日が 来るのかな ―好き― いつまでも 一緒に過ごしたい ----- 2008.6.14 急に書きたくなって書きました☆ シンジが偽者だー!!! 状況はサトシ一行がポケモンセンターにつくとノゾミとシンジとシュウとハルカがいて、ヒカリは最初はシュウと話してたんですよ! 「君ハルカに勝った子だよね?」 「はい!ヒカリって言います。」 「ヒカリ君のポッチャマ見事だったね。」 「ありがとう!」 見たいな感じの会話をしてるのを見て、シンジが妬いちゃうんですv それでそそくさとポケモンセンターを出て行くシンジをヒカリが追いかけてく・・・。 っていう感じで。 説明長くてすみません。。。 |